2010年3月21日日曜日

甲冑の百識

甲冑(かっちゅう):戦士が着用する、鎧(よろい)と兜(かぶと)の総称である
甲(こう)=身に着けるよろい(鎧)
冑(ちゅう)=頭にかぶるかぶと(兜)

鎌倉時代、甲冑を着られるのは身分の高い武士だけだった
大鎧(おおよろい)(鎌倉時代):騎馬戦を想定、重量30kg以上
一騎打ちが主流だった戦場で自分をきらびやかに見せるために着用する
いわば、「ステータスシンボル」であった

戦国時代の兜が派手で個性的だったのはその方が目立つからである
兜をかぶれば、顔がほとんど見えず、手柄を立てても誰なのか分からなかった
そのため、兜→目印
甲冑は目立つ為だけではなく
戦いで死んだときに恥ずかしくないためのものだった
いつ死んでも格好がつくようきちんと着飾って(きかざって)戦場に臨んだ(のぞんだ)

甲冑の材質に大きな変化が起きたのも
戦国時代で種子島に鉄砲が伝え来ましたことがきっかけである
鉄砲伝来前素材は革中心。鉄砲伝来後素材は鋼鉄。

織田信長(おだのぶなが:1534~1582)の甲冑:紺絲威胴丸具足(こんいとおどしどうまるぐそく)
信長はヨーロッパからの舶来品を好んでいたが、この甲冑は古い様式

伊達政宗(だてまさむね:1567~1636)の甲冑:鉄黒漆塗五枚胴具足(てつこくしつぬりごまいどうぐそく)
特徴は兜の前飾りの弦月(げんげつ)、右側が短い理由は馬上で打刀を振り上げたときに邪魔をしないため

直江兼続(なおえかねつぐ:1560~1620)の甲冑:金小札浅葱威二枚胴具足(きんこざねあさぎおどしにまいどうぐそく)
特徴は前立てと呼ばれる兜の飾りは「愛」の文字、薄い鉄板を使っているため見た目ほどは重くない
胴は胸と腹の部分が別れる、これは上杉家伝統の形
「愛」の文字は戦いの神、愛染明王(あいぜんみょうおう)を表すといわれている

前田慶次()の甲冑:朱漆塗紫糸素懸威五枚胴丸具足(しゅうるしぬりむらさきいとすがけおどしごまいどうまるぐそく)
西洋風、鉄を豊富使い、強度を上げている
満智羅(まんちら):肩の周囲を守る部品、西洋甲冑に由来する


桶狭間(おけはざま)の戦いで織田信長と戦ったの今川義元(いまがわよしもと:1519~1560)は甲冑が重すぎて転倒した
大鎧というその当時の鎧に比べ重いものを好んで着用していた、
しかし、義元は小柄、肥満で甲冑の重さに耐えきれずに転倒、しかも一人では起き上がれなかったという

見た目にこだわり過ぎて命を落とした武将がいる
矢部虎之介(紀州徳川家):大阪の陣に参戦、指物という目印を大きく作り過ぎたため(3.6m)、馬が走れなかった
戦に(いくさに)遅れをとった責任を感じ、矢部は自害した

甲冑にはオーダーメイドと既製品があった
特注品を作れない下級武士は町で売っている既製品を買い求めた
オーダーメイドの甲冑=豪邸(現在の値段で2~3千万円)

大名の中には専属の甲冑デザイナーを雇う者もいた
甲冑師:デザインから、製作までを行う職人
最も有名のは明珍家:平安時代から続く甲冑作りの名門。現在は甲冑ではなく、火箸や風鈴を作っている

甲冑を着るための専門のスタイリストがいた
鎧着せ所役:鎧を着るための作法や順番を知り尽くす役職

足軽の甲冑はレンタル衣装だった
足軽の甲冑→自分のものを持っていないので大名家に借りていた
どんな体型でも着られるように、胴はひもの長さで調整できるようになっていた

朱色に塗られた甲冑は重さが軽いものが多い
朱色は俊敏な動きを必要とする斬り込み隊や精鋭部隊の甲冑に多く使われた
朱色は集まることで敵を圧倒する効果があった

戦場でいざという時、甲冑を着けたまま、用を足せるようにデザインされていた
ふんどしをゆるめるだけで用を足せるよう作成されていた

ちょんまげの頭頂点髪がない部分は
元々、兜をかぶるときに、頭が蒸れない(むれない)ためだった
応仁の乱(1467~1477)の頃、武士は戦いの時にのぼせないように頭のてっぺんを剃っていた、これを月代(さかやき)と言う
戦国時代には日常的となり、江戸時代には町人を含めた男性のファッションとなった

江戸時代、武士の中には甲冑を自分では着られない人もいた
平和な江戸時代には甲冑を着ることができない武士がいた
箱に入れたまま、中身を見たことが無い者もいた

江戸時代、大名家に嫁ぐ(とつぐ)女性は自分用の甲冑を嫁入り道具として、持っていくことがあった

伊達政宗の甲冑は映画「スターウォーズ」に登場するダースベイだーのデザインに参考になったと言われている
仙台市博物館からハリウッドに写真を送ったことがある
「STAR WARS ^ THE MAGIC OF MYTH - 」に日本の甲冑を参考にしたと表記されている




1.すね当:素材は革と漆で作った篠
2.佩楯(はいだて):絹のベースに鎖を着けている
3.籠手(こて):関節部分は柔らかくなっている
4.胴:金具に紐を掛け固定
5.袖:弓を射るのに邪魔にならない大きさ
6.面頬(めんぽう):素材は鉄
7.兜

2009/11/18 百識王