2009年12月6日日曜日

人はなぜ買ってしまうのか?

マーケティング業界では
良く売れる商品が置かれた場所を「マグネット」売場と言う
マグネット効果:鉄が磁石にくっつくように、人が商品に引き寄せられる現象
コンビニのマグネット売場:弁当、おにぎり、飲み物、雑誌

陳列棚(ちんれつだな)の中で商品が最も売れる高さを「ゴールデンライン」と言う
ゴールデンライン:
流通業界の基礎用語で販売に最も有効な高さの事、
地上約60cmから約125cmまでの間が最も目に付き手に触れやすい位置で
売り上げを最大限に高めると言われている

ゴールデンラインの中でも、特に人が無意識に見てしまうのは「左上」である
広告や商品の棚を見る時、人はまず一番左上を見てします心理がある
店側はこの場所に売りたい商品を置く
まだ、自動販売機でも左上に売りたい商品のボタンを配置している
左上を見た消費者はその後アルファベットの「Z」の形に視線を動かす
「Zの法則」:視線が左上から右横に流れ、その後左下にいき、また右に流れて止まる

売場の広い店舗では一定の距離ごとに同じ物を陳列する事で売り上げアップが望める
サブリミナル効果を狙った商品配置であった
売場を巡っているうちに繰り返し目に入ることで無意識にインプットされ衝動買い(しょうどうかい)をしやすくなる

コンピにの陳列棚の一部は下に行くほど手前に張り出す構造になっている
上から見下ろした(みおろした)ときに商品が見やすくなり、購買意欲をそそる効果がある

複数のフロアを持つデパートでは客を誘導する為に
魅力的な売場や催し(もよおし)を上の階に設定する事が多い
最上階でバーゲンなどの催し物を行う

シャワー効果:
レストラン、玩具(がんぐ)、書籍(しょせき)など、
目的買いをする率の高い売場を上の階に設置する、先に上の階に顧客を集め、その後下の階に向かって誘導すること
噴水効果:デパ地下など、下層階の売場を魅力的にすることで、上の階へ顧客を誘導すること

かつてオリジン弁当はチェーン店をコンビニの近くに出店する戦略をとっていた
そもそも、コンビニはマーケティングを重ね、利益を多く生みそうな場所に出店している
当然、オリジン弁当がコンビニの近くに出店した理由は一定の顧客数が見込めマーケティングの手間も省ける(はぶける)
さらに、コンビニにはない、手作り、できたての美味しいお弁当を提供できる
待ち時間にはコンビニで買い物ができる、顧客側にうれしい心理を見事に突いている(ついている)
かなり戦略的で理にかなった出店方法と言える

コンビニエンスストアが窓際に雑誌を陳列しているのは、店外の客に「安心感」を与えるためである
立ち読みをする客が外から見える事で、店内が無人でないという安心感を与え、入店しやすくする効果がある

レジの周辺に和菓子やチョコレートなどの甘いお菓子が置かれているのは「待ち時間」に注目してもら意図(いと)がある
並んでいる時やお釣りを待っている時などに、周りの商品を手にとって見てしまう心理を利用

※人は左回りに移動した方が精神的に安定すると言われている。
その理由は
心臓が左にあるからだと言う説
感覚を司る(つかさどる)右脳(うのう)は、体の左側の器官につながるからだと言う説
詳しい事は、いまだ解明されていない。
左回り法則の例、野球、陸上のトラック、メリーゴーラウンド
デパートやコンビニは客が左回りをする様な構造になっている
ちなみに、お化け屋敷は違和感や不安感を感じさせる為に右回りに作られている

広告文章を作るコピーライターの元祖はエレキテルで有名な「平賀源内(ひらがげんない)」である
※平賀源内(1728〜1780)、エレキテル:静電気発生装置
江戸時代、夏場に売り上げが伸びなかった鰻屋の為に、
土用の丑の日(どようのうしのひ)は鰻を食べると夏負けしないというPR法を伝中
たちまちその鰻屋を繁盛させた、天才コピーライターだった

ディーザー広告のディーザーとは「じらす」という意味である
商品の一部やシルエットしか見せない等、情報を小出しにして客の好奇心を煽る(あおる)広告手法である
雑誌の次号予告や番組の次週告知などが、典型的な(てんけい)ディーザー広告である

「限定」は売り上げを伸ばす為の共通の言葉
飛躍(ひやく)的に売上げを伸ばすための代表的な売り文句が「限定」である
期間限定、数量限定:「今買わなければ」と思わせる効果
対象限定:優越感(ゆうえつかん)を持ってもらうことで心をくすぐる効果

売り文句は「物」よりも体験をアピールした方が良い

商品の売上げをより伸ばすポップは「手書き」の方である
最近、書店でよく目にする手書きポップには人を引きつける効果がある
店員が本を読んだ感想を手書きで広告しているもので、手書きである事が「親近感」(しんきんかん)と「信頼」を生み
「クチコミ」と同じ効果を発揮(はっき)している

レストランなどで客の回転率を上げるためには壁の色に「赤」を多く用いる(もちいる)と良い
赤が出す光の波長には人間の脳に刺激を与え、自律神経に作用し、「食欲を増進させる」効果がある
まだ、いつより時間の流れを早く感じさせ、同じ場所に長くいたような感覚にさせる
結果、客の回転率が上げる

赤はバーゲンセールのチラシなどにも多用され(たようされ)、業界では「販売色」と言われている
赤は最も目立つ色であると同時に「人を興奮させ購買欲を向上させる(こうじょう)」効果を持つ
スーパーの野菜コーナーでは「トマト」の前で立ち止まる人が多い、これも「赤」の色彩(しきさい)効果だと考えられている
他にも、季節によってリンゴ、イチゴ等を入口近くに配置する事で、「買うぞ!」という購買意欲を増進させる

赤の他に売上げを伸ばす色は「黄色」だと言われている
赤で刺激を与え、黄色で楽しい気持ちにさせて、客の買い物気分を盛り上げることができる

ピンク、オレンジ色には物を甘く感じさせる効果がある
青色には食欲を減退させる効果がある
黄色からは酸っぱさをイメージ
白からは塩辛さをイメージ
茶色からは苦みをイメージ
オレンジ、赤、茶からはうま味をイメージ

行列に参加する傾向(けいこう)が強いのは「関東人」と言われている
人は行列を見て大勢の人が評価しているから、魅力的なものに違いないという発想をする
まだ、誰かと同じ事をすることで、安心感を持つ
特に関東人は周りから取り残されるのではないかという、脅迫観念(きょうはくかんねん)が強いと言われている
逆に、関西人はこの感覚が薄い傾向にある

行列は勝手にできるものではなく、仕掛けるものである
並ぶことと同等(どうとう)の価値のものを店側が提供することで、客は並んでくれる
例えば、並んでいる間に商品を一個試食させたり
買うのに時間がかかる代わりに「できたて」を購入させたりなど
並ぶ理由があれば、人は並ぶ
その心理を逆手にとれば、行列を作り出すことができる

フランスの「ボン.マルシェ」という世界初のデパートでは行列を作るために入口をあえて「狭く」した
入口を狭くすることで、混雑している様子を演出した、
それを見た周りの客が好奇心から行列に並んだという

行列に並んでいると他の人の言葉が良く聞こえてくる、これは「盗み効き効果」という
盗み効き効果:「すごく美味しいらしいよ」などの言葉が耳に入り、並ばずにはいられなくなること、社会心理学用語

オープン価格とは客に「人気」がないから安いと思わさせないために生まれたシステムである
定価から大幅に値引きされていると
大幅値引き→在庫整理→人気がない
と推測されてしまい安くても買ってもらえなくなる
オープン価格:最初から値段をつけないことで元値(もとね)がわからず、人気を推測できないようにしたシステム

カゴやワゴンに無造作に入れられている、商品の値段は安く感じる
ジャンブル陳列:投げ込んだままの状態に見せる方法、何気なさが安さをイメージさせるため、特売品や見切り品に用いられる

同じ商品でもテーブルに直に(じかに)並べるより、「台」の上に置く方が高級品に見える
2cmぐらいの厚みのボードの上に載せるだけで高級感が増す(ます)
品質が良さそうなのに思いのほか安いという印象を与えることができる

人気がある居酒屋の店主は「作務衣」(さむえ)を着ていることが多い
どんなに修行を積みこだわりを持っていても、Tシャツにジーパン姿だと軽いイメージになってしまう
そのため、居酒屋業界ではこだわりとストイックさを演出するために作務衣を着ることが一般的になっている

条件付け学習
自分の好きな芸能人がテレビ CMに出演していると宣伝いる商品も好きになるという心理効果がある
タレントと商品に直接的な関係がなくても、勝手に結び付け好きな人が紹介するものを好きになる
逆に、嫌いな人が商品を持っていると、その商品を嫌いになるという心理効果もあり
テレビCMに出演するためにはより多くの人達に愛されていなければならないということになる。


2009/12/02 フジテレビ 百識王